ALTOスペシャルサイト > 「かしこく、ステキ。」な入門講座 > 紫舟流 書道講座 > 第3回 名前を書いてみよう

いよいよ実践編です。自分らしい『書』や思い通りの『書』が書けるようになったら、今度はテーマを決めて創作してみましょう。
私たちが普段何気なく使っている文字には、様々な意味が込められています。言葉や熟語、名称は、そうした文字を組み合わせることで、さらに深い意味や感情を投影することができるのです。みなさんもお子さまやペットなどの名前に、願いを託したり由来を込めたりして決めていますよね。「こんな存在になってほしい」という願いが込められた名前は、様々な表現で視覚や感情に訴えかけることできる『書』にぴったりの題材なのではないでしょうか。そこで、今回のテーマは「名前」にしたいと思います。
『書』を書く前の大切なこと。それは「知る」ことだと思います。私もひとつの作品を作るにあたって、製作時間の8~9割を「知る」ことに費やしています。例えば、「名前」を書くにあたっては、どんな想いが込められているのか、どんなエピソードとともに生まれた「名前」なのか、といったことを意識するようにしています。

例えば、私の作品集「いい名」に掲載している作品「笑子さん」は、命名の由来となったのは、赤ちゃんのときの笑顔。大きな目、赤いほっぺ、を意識して書いてみました。彼女の表情がみんなを笑顔にしたように、書でもみんなを笑顔にできればと思います。

「名」の意味を想像することができたら、次はどんな書体やタッチ、構成で書くかを考えます。力強さを表現するのであれば、太く強いタッチが分かりやすいでしょう。想いの強さを伝えるのであれば、大きな文字で紙の中での存在感を表現することができます。作品「大さん」では、名字と名前が上下どちらから読んでも同じになるようにという由来。そして今、身長も大になったことから、どこから見ても「大」と読めるように書きました。
では最後に、車名の「Alto」を『書』にしてみましょう。「Alto(アルト)」という言葉は、イタリア語で「秀でた」という意味があるそうです。走りや車内スペース、燃費、価格など、あらゆる面で「秀でた車」であってほしいという願いが込められたのではないでしょうか。実際、「Alto」は使いやすくて信頼性が高く、それでいてお求めやすい価格の車の代名詞でもあるとか。最新モデルも「省資源・低燃費で気軽に使え、世代を超えて愛される軽自動車」がコンセプトだそうです。
これらを知った上で実際に車を眺め、試乗してみました。そこで特に印象に残ったかわいらしいヘッドライトのデザインを書体に、気持ちのいい走りや小回り性能の高さをしっかりとした筆運びや文字の大きさのメリハリに、あらゆる面で「秀でている」ことを紙いっぱいに収めることで、「Alto」を表現してみました。
みなさんも、最も人間らしい言葉である「名前」を、『書』で表すことに挑戦してみてください。